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2005,04,16, Saturday
負けられない戦い
いる。何かがいる。この中に。飛行タイプだ。蚊か何か知らんがちょっと暖かくなるとスグこれか。今、視界の果てをちらりとかすめた。完全な密室だと思っていたが、やはり換気扇や排水口など侵入経路はいくらでもある。しかしショックだ。大ショックだ。私は蟲が大のニガテだ。どこだ、どこにいる。いた。二時の方向に敵、ターゲット捕捉、識別不能。何だこの変な蟲は。見たことがない。
山奥に住んでいた頃に大概の蟲に出くわしたつもりだったが、今ここにいるのは初めて見る奴だ。こいつはもしかしたらUMAの一種かもしれない。一つだけゆっとく。ウマではない。Unidentified Mysterious Animalsだ。ああ判ってる、判ってるさ!けど、でも!くだらないと知りつつ、つい書いてしまった事を陳謝する。ともかく今、見たことのない蟲がその辺を飛び回っているのだ。キモチ悪いので具体的な描写は避けるが、蚊とガガンボの中間くらいのサイズだ。あーキモチ悪い!今そこにある危機をなんとかせねば。 以前暮らしていた所は裏がすぐ山だった事もあり、年がら年中さまざまな蟲たちが訪れていた。初めのうちは気になって気になって仕方がなかったが、そのうち慣れた。とはいえそのまま放置しておくのもなんなので、いつも捕まえては玄関から外に逃がしてやっていた。殺してはダメ、と言われていたからだ。蟲といえども命、と殺す事を極度に嫌がっていたのだ。そんな事を続けていると、少し蟲たちがかわいく思えてきたりもしていたものだ。 だが今はもう違う。NML(No More Love)会長たるこの私には、そんな慈悲の心などもはやミジンもありはしないのだ。我がアジトに無断で侵入しておいてタダで済むと思うな蟲ケラめ。今すぐ即刻ただちにジャストナウ、叩っ殺してくれる。総員戦闘配備だ。第一種兵装「新聞紙やチラシを丸める」は使えない。この方法で攻撃した場合、壁などに汚れが付いて落ちなくなってしまう恐れがある。そもそも新聞もチラシもここにはない。第二種兵装「ティッシュ山盛り鷲掴み」これである。素手ではとてもじゃないがキモくて触れないが、これなら安心。神経伝達が速く命中精度も高い。圧縮してやる。 しかし敵も然る者、なかなかすばしっこい。加えてこの戦場は地形が複雑(乱雑ともいう)なため思うように動けず、地上からの対空攻撃は非常に不利な状況にある。しかしこの拠点を落とされるわけにはいかない。何としても死守せねばならないのだ。だがしばらくすると敵影が消えた。レーダーにも反応はない。きっと恐れをなして逃げ出したに違いない。そうだきっとそうだ。どこか判らないが、入ってきた所から出て行ったのだ。もう蟲はいなくなった。よかったよかった。やっと落ち着いて眠れそうだ。やれやれマッタク人騒がせもいいところだ。さあもう殆ど朝ではないか、おやすみおやすみ。 いる。 |
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