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2005,07,13, Wednesday
バラエティ精神
先刻友人からカードが届いた。何かと思い中を見てみるとそれはバースデイ・カードであった。こちとらそんな事などスッカリ失念しており夕食のバナナをもしゃもしゃほおばっている最中であったためかなりのショックを受けた。
自分の誕生日を忘れるなんて作り事めいた話だとお思いであろうか。無論私とて知識として7月13日という情報は記憶している。先週あたりまではその事を自ら周囲に吹聴して回っていたりもしていたくらいだ。 だがその事と、今日がその日であると認識する事はまた別の話なのだ。新ドラマと同じで、放送前まではアレ見ようコレも見ようビデオに録ろうなどといろいろ思いを巡らせるが、いざ放送当日になるとつい見逃してしまう。なんか多分そんな感じだ。 まあそんな事はどうでもよろしい。ともかく本人ですらド忘れしていたような至極個人的なイベントを覚えていてくれた友人に感謝である。そして私がショックを受けたというのは、その事実に対してのみではない。 贈られたカードにはメッセージが添えられていた。曰く「自分らしく、笑いの絶えぬ人生を生きよ」である。 笑いも涙も枯れ果てて久しい身であるが、私は生まれて初めて嬉し涙を流した。不思議な事に嬉しいのに涙が出るのだ。ありえないと思っていた。ガスを燃やすのになぜか涼しくなるクーラーぐらいありえないと思っていたのだが、本当にあるのだな。 この世でただひとつの生き甲斐を失って以来、自分らしさなど完全に見失っていた。それどころかいい歳して自殺すら念頭に置き始めていた。自殺願望と呼ぶほど積極的に死を望む分けではないが、積極的に生きる道を見失った以上大差はない。 死ぬ勇気があるならどうしてだって生きていける、といった声もあるが、私にとって死とは勇気でも覚悟でもない。むしろ生きる事にこそ覚悟や勇気が必要だと思っている。それを失くしてしまったら生きてても死んでてもさほど変わりはないと思うのだ。 そんな、廃人検定準1級資格取得を目前に控えたような私の足元を掬ってくれたのが友人からのメッセージであったのだ。自分らしく生きよと。私らしさとは、笑いよじれて生きる事。要するにネタまみれのバラエティ人生だ。 そうまさにコレだよ私が目指すべきは。クオリティよりバラエティ。最早シリアスネタは一切不要である。まあ演出の一環としてちょこっとぐらいはアリだが。 我唯一人のみにて生きるに非ず。親兄弟や友人たち、その他私を環く全ての人々によって私は生かされている。そうそう自分勝手に消えてしまいたいシンドロームと洒落込むワケにはいかんのだ。よってこれよりは、このはちきれんばかりのバラエティ精神でもって各位の幸せを心より願うものである。 そろそろ朝食のバナナを食べねばならんのでこれで失礼する。 |
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